ダイエットしないで痩せる方法は腸内細菌のヤセ菌と酵素断食が効果的

ダイエットしないで痩せるには腸内細菌のヤセ菌を増やすこと、酵素断食によって腸をきれいにすることが効果的です。

『ダイエットの科学』の結論は腸内細菌

当ブログではダイエットしないで痩せるには腸内細菌のヤセ菌を増やすことと、酵素断食が効果的であるということについて述べていますが、今回は『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(ティム・スペクター著)を読んだ感想・書評を述べながら、腸内細菌が痩せるのに効果的である理由について書いていきたいと思います。

 

ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(ティム・スペクター著 熊谷玲美訳 白揚社)は原題が『ダイエットの神話』(The Diet Myth The Real Science Behind What We Eat)となっているのですが、本書は科学者の立場から世の中に拡がる「ダイエットの神話」に深く切り込み、その神話を崩そうとしている好著だといえます。

 

特に食べ物や栄養素に関しては、信頼出来る科学研究のエビデンスを重視しているため、「体に良い」としきりに宣伝される食べ物や栄養素・成分に関しては、慎重な立場を取り、また、一般的に「体に良くない」とされている食べ物や栄養素・成分に対しては、どちらかといえば擁護しているような印象を受けます。

 

ちなみに本書『ダイエットの科学』では、

 

 

など、ダイエットや健康との関わりが深いものについて詳しく考察・言及されています。

 

ダイエットの科学

ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社

 

もちろん、氏が信頼出来る科学研究を基に述べていることが全て正しいかどうかは分かりませんし、食べ物や栄養について言及されている内容に対してどのように判断するかは、読者に委ねられているように思いますが、マーケティングの思惑によって誤った情報を植え付けられたり、鵜呑みにしたりしないためには、本書『ダイエットの科学』に書かれている内容は、一読に値するように感じます。

 

 

また、世の中には様々なダイエット法が宣伝されますが、著者であるティム・スペクター氏は、本書のなかで、例えば、以下のように述べています。

 

 ダイエットにまつわる神話のなかでもとくに危険なのが、食べ物への反応は誰でも同じだと考えてしまうことだ。私たちは、ある食事をしたとき、あるいは何らかのダイエット法を試したときに、自分たちの体が実験用ラットのように、誰でも同じ反応を見せると考えがちだが、実際にはそんなことはない。私たちの体は誰一人として同じではないのだ。だから、たとえば体重のことを心配する際に、摂取カロリーと消費カロリーのバランスだけにこだわっても何の意味もないし、それどころか混乱の原因にもなりかねない。(ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p333

 

 カロリー摂取量が減っても、私たちの体は進化によるプログラムに従って、その状態に適応するだけのようだ。つまり、制限だらけの単調な食事制限をしても、脂肪を減らすまいという体からの信号がそれを無効にしてしまうらしいのである。それに加えて、しばらく肥満の状態を経験すると生物学的変化がいくつも起こり、食べ物に対する脳の報酬メカニズムや脂肪の蓄積が、維持されたり強化されたりするようになる。ダイエットのほとんどが失敗してしまうのは、こうした理由による。(同 p16

 

ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

 

ダイエットの科学の鍵を握る「腸内細菌」

私たちはそれぞれ体質に個人差があるため、誰にでも通用するような「~を食べるだけですぐに痩せる」ことが出来る特定の食べ物やクスリや、「~するだけ~キロ痩せる方法」などはおそらく存在しないと私自身は考えていますが、では、ダイエットに有効な手段はこの世に無いのでしょうか?

 

画一的なダイエット方法に意味はないとしても、私たちの腸内に生息している無数の「腸内細菌」は、ダイエットに対して有効な可能性を秘めているように思われます。

日本でもヤセ菌やデブ菌と名づけられている腸内細菌や、腸内細菌の多様な集まりである「腸内フローラ」が、ダイエットや肥満、健康と実は深く関わっています。

 

そしてそのことは、テレビや雑誌の特集などで近年よく知られるようになってきていますが、ティム・スペクター氏は、本書『ダイエットの科学』のなかで以下のように述べています。

 

 私がこの本で実現したかったのは、ダイエット法や食べ物にまつわる無数の神話の真実を明らかにすることだった。それによって、もっともらしく売られているダイエット商品や食品の宣伝文句を、読者のみなさんが懐疑的な目で見られるようになったのなら、著者冥利に尽きると言えよう。また私は、ダイエットの神話や根拠のないルールを一掃しようとするにあたって、それらの代わりに新たな制約を持ち出すのではなく、知識をもたらそうと試みた。その代表的なものが腸内細菌だった。

 

ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p349

 

 腸内細菌の種類の微妙な違いからは、私たちの食習慣と健康状態の関連性についてかなりの部分が理解できるし、食べ物に関する研究結果が個人や集団ごとに異なり、一貫性がない理由も説明できると考えられている。たとえば、低脂肪ダイエットで効果がある人がいる一方で、高脂肪の食事をとっても大丈夫な人もいるし、それで健康に悪影響を受ける人もいる。糖質をたくさん摂取しても太らない人もいれば、同じ量の糖質からより多くのエネルギーを取り込んで、太ってしまう人もいる。赤身肉を食べても問題ない人もいるし、そのせいで心臓疾患になってしまう人がいる。さらには、お年寄りが介護施設に移り、食生活が変わると、あっという間に病気になってしまうことが多い。こうしたことはいずれも、腸内細菌の個人差で説明できるのだ。

 

ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p32~33

 

ダイエットの科学

ダイエットを成功させるためには、腸内細菌のバランスを整えることが大切

このように、腸内細菌はダイエットを成功させるために鍵を握っていると考えられるのですが、「~するだけで誰でも絶対に痩せられる」といったような、腸内細菌によって確実にダイエットできる方法というのは、まだ確立されていません。

その理由は、腸内細菌の世界は、私たちのからだのメカニズムと同じで複雑であり、その仕組みを完全に理解することがおそらく不可能であるからです。

 

つまり、痩せ菌が含まれたサプリメントを飲んで腸内細菌のバランスを整えればOKというわけにはいかないのです。

しかし、バクテロイデス門の菌など、痩せている人の腸内に多く生息している菌の種類は分かってきているため、日頃の生活習慣を変えることで、ダイエットを成功させることは実現可能であるように思われます。

 

その基本は、食物繊維やオリゴ糖など腸内細菌のエサになるものを腸に送り込む「プレバイオティクス」と、からだにとって良い働きをする菌が含まれた食品である「プロバイオティクス」によって、腸内細菌の多様性を重視しながら、そのバランスを整えていくことであるように考えられます。

 

詳しくは以下の記事をご参照ください。

tyounaisaikin-diet.hateblo.jp

腸内細菌の多様性もダイエットと健康のためには重要

また、ティム・スペクター氏は、腸内細菌の多様性を実現させるためには、ひとつのスーパーフードだけを摂るよりも、野菜などを中心に様々な食べ物を摂るようにすることを勧めていますし、たまに断食を行うことは、マウス実験では腸内細菌の多様性を増すことにつながるとしています。

 

さらに、保存料などの食品添加物が腸内細菌に悪影響を与える可能性が高い加工食品を時々試してみることも、完全に否定してはいないところが、多様性を重視するという意味では好感をもてます。

 

 私たちの腸とそこにすむ細菌は、庭の手入れをするように世話してやることで、きっと豊かになっていくはずだ。肥料、つまりプレバイオティクスや食物繊維をたっぷりと与えよう。そしてその庭には新しい種、つまりプロバイオティクスや未経験の食べ物を定期的にまいてみよう。断食をして、ときどき土を休ませるのもいいだろう。保存料たっぷりの加工食品や殺菌効果のあるマウスウォッシュ、ジャンクフードや砂糖で、自分の腸という庭の反応を試してみるのはかまわない。しかし、それで庭が汚染されてしまうようでは本末転倒である。(ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p349

 

以上、ここまで『ダイエットの科学』について述べてきましたが、本書の著者であるティム・スペクター氏は、訳者の熊谷玲美氏によれば、ロンドン大学キングスカレッジの遺伝疫学教授で、世界最大規模の双子研究を指揮しているといい、邦訳書には『双子の遺伝子――「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける』(ダイヤモンド社)、『99%は遺伝子で分かる!―人生はどこまでプログラム済みか』(大和書房)などがあります。

 

 

 

 

tyounaisaikin-diet.hateblo.jp

tyounaisaikin-diet.hateblo.jp