プレバイオティクスでヤセ菌を増やすことは糖質制限ダイエットにも効果的
当ブログではダイエットしないで痩せるには腸内細菌のヤセ菌を増やすことと、酵素断食が効果的であるということについて述べていますが、今回はプレバイオティクスでヤセ菌を増やすことは糖質制限ダイエットにも効果的であることについて書いていきたいと思います。
前回の記事では、ダイエットによって痩せるための方法があるとすれば、それは腸内細菌のうちの痩せ菌を増やして、代わりにデブ菌を減らすことだということについて述べました。
そしてそのヤセ菌を増やすのに効果的なのは、食物繊維やオリゴ糖など、腸内細菌のエサになる糖質が含まれた「プレバイオティクス」と呼ばれる食品を多く摂るようにすることです。
そして、この「プレバイオティクス」を日頃の食生活のなかでたくさん摂るようにすることは、糖質制限ダイエットにも効果的なのです。
砂糖や異性化糖、精製デンプンなどの糖質を摂ると、血糖値が急上昇してしまい、インスリンがたくさん分泌されることによって、余計なブドウ糖が脂肪として蓄えられやすくなります。
つまり、一般的にGI値が高いとされる、血糖値を急上昇させる食べ物を摂ると、その分、太りやすくなるのです。
食物繊維は糖分の吸収をゆるやかにする
しかしご飯やパンなどを食べる前に、食物繊維が多く含まれた野菜や海藻類などを食べるようにすると、糖質の吸収がゆるやかになり、血糖値が上がりにくくなるため、インスリンが分泌される量も減り、太りにくくなるのです。
そのため、もしごはんとサラダが一緒に出てきたら、サラダを先に食べてから、ごはんを食べるようにするだけで、糖質制限ダイエットのために効果を発揮してくれます。
ヤセ菌を増やすために必要な食物繊維は炭水化物に含まれる。
ちなみに食物繊維は炭水化物に含まれるため、極端な糖質制限によって炭水化物を全く摂らないようにすると、食物繊維が不足して腸内環境が悪化してしまうという弊害が生じてきます。
もし食物繊維を摂らないことで腸内細菌のバランスが悪くなってしまうと、ヤセ菌も増えず、ダイエットのために逆効果になってしまうことが考えられます。
オリゴ糖も糖質制限ダイエットに効果的
また、オリゴ糖は、糖質制限ダイエット中の砂糖代わりに使う甘味料としておすすめです。
なぜなら、難消化性の糖質であるオリゴ糖は砂糖よりも甘さは控えめですが、一般的に腸内細菌のエサになり、ヒトの腸に生息する善玉菌である「ビフィズス菌」を増やすとされているのです。
実際、フラクトオリゴ糖を摂取すると、摂取前に比べてビフィズス菌の数が約10倍になり、また、検出率も87%から100%に増加することが確認できたという、東京大学名誉教授の光岡知足氏の研究報告があります(参考 光岡知足『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』)。
しかもオリゴ糖は血液に入りこむ前に腸内細菌のエサになるので血糖値をほとんど上げないという性質があります(GI値は10程度)。
一方、砂糖を摂り過ぎてしまうと、血糖値が急激に上がることで太りやすくなるだけではなく、デブ菌が増殖する原因になりますので、注意が必要です。
プレバイオティクスはダイエットに効果的
以上、食物繊維やオリゴ糖が含まれた「プレバイオティクス」と呼ばれる食品は、ヤセ菌を増やすだけではなく、糖質制限ダイエットにも効果的ですので、毎日の食生活にぜひ採り入れてみてください。
プレバイオティクスとは、体に有益な腸内細菌と密接な関わりをもつ食品成分のことだ。あらゆる食物繊維がプレバイオティクスと呼べるとは限らないが、逆にあらゆるプレバイオティクスは、その定義から必然的に難消化性食物繊維になる。ここからもわかるとおり、たとえば最も一般的なプレバイオティクスであるイヌリンの含有量を測定すると、食事中の食物繊維の含有量を反映した数値が出てくる。(略)
食べ物と腸内細菌の相互作用のプロセスで重要なのが、プレバイオティクスが介在するものだ。プロバイオティクスと言えば、宿主の健康に効果がある特定の細菌のことだが、プレバイオティクスというのは、大腸内の細菌にとっては肥料になるような食品成分である。こういったほとんど消化されない食物繊維には、有益な細菌の増殖をさかんにするという作用があり、その種類はいくつかある。私たちが生まれて初めて出会うプレバイオティクスは、母乳に含まれているもので、オリゴ糖という。これは、糖類がかたく結合してできる複雑な化合物だ。(ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p235)